2006年秋モデル・パソコンの新傾向

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2006年秋モデル・パソコンの新傾向
<2006年11月2日更新>

このコーナーでは「2006年秋モデル」パソコンの最新スペックや傾向を分析、解説しています。

新製品を随時発売しているためか、「当社では、春モデル、夏モデル、秋モデルなどというものはない」と明言している企業もありますが、その場合は以下の解説を「2006年8月、9月以降頃に発売されたパソコンの傾向」と考えていただければと思います。また、下記解説は全体的な傾向なので、メーカー直販サイトでパソコンの仕様を自由に変更できる場合には一部あてはまらないこともあまりす。

尚、以前のモデルと重複している情報もあるので、その場合はとばし読みしていただければと思います。

パソコン初心者の方は、「パソコン初心者のためのパソコンの選び方」のページもご参照頂けると、解説がより詳しく理解できると思うので、ご利用ください。

2006年秋モデルの全体的な傾向

地上デジタル放送対応パソコンの充実
夏モデル同様、2006年秋モデルは地上デジタル放送対応パソコンが夏モデル以上に充実し、低価格化が更に進んでいます。また、リビングなどに置いてテレビとして使うための大画面モデルも増えています。2011年7月終了予定のアナログテレビ放送を目前にひかえているという背景もあり、アナログ放送からデジタル放送への移行がテレビパソコンでも如実にあらわれてきたと言えます。ただし、「パソコンにテレビ機能は必要ない」という方にとっては無視してもよい傾向と言えます。

Windows Vista Premium Ready パソコンが登場
2007年1月の Windows Vista という新OSの発売予定を前提に、Windows Vista に対応したパソコンが夏モデル以上に充実しています。

2006年春モデル以降、Windows Vistaの動作保証をしていることを意味する「Windows Vista Capable (「ウィンドウズ・ビスタ・ケイパブル」と読む)」パソコンが各メーカーから登場していましたが、秋モデルでは更にもう一歩進めた Windows Vista Premium Ready (「ウィンドウズ・ビスタ・プレミアム・レディ」と読む)パソコンが続々登場しています。

もう少し詳しく解説すると、「Windows Vista Capable」は、「Windows Vista Home Basic」というOSのバージョンまでの動作をある程度保証しいるだけで、Windows Vista の全てのバージョンまで動作することを保証しているわけではないのです。Aeroを含む Vista のフル機能を使うにはスペック不足と言えます。

それに対し、Windows Vista の大部分の機能が動作する条件になっているのが「Windows Vista Premium Ready」なのです。

■マイクロソフト社推奨の Windows Vista 対応パソコンのスペック
Windows Vista Capable Windows Vista Premium Ready
C P U 最近のCPU
(動作周波数800MHz以上)
32bit/64bitのCPU
(動作周波数1GHz以上)
メモリ 512MB 1GB
「Windows Aero対応」とは、WDDM(Windows Display Driver Model の略称で、Vista 用ドライバーのこと)に対応していること。ハードウエアで稼動する Pixel Shade 2.0 および32bitカラー表示への対応が必要。
グラフィック DirectX 9 対応
(WDDMサポート推奨)
Windows Aero対応
ビデオメモリ 条件指定なし 128MB
※(注意)
しかし実質「256MB」でないと動作が多少重いと思います。
HDD 20GB
(15GB以上の空き)
40GB
(15GB以上の空き)
光学ドライブ CD-ROMドライブ DVD-ROMドライブ
オーディオ 条件指定なし オーディオ出力機能
インターネット 条件指定なし インターネット接続機能

考慮しておきたい点としては、Windows Vista 対応のパソコンは、メーカーで動作保証をしているので大きなトラブルになることはないと思いますが、「Windows Vista Capable」や「Windows Vista Premium Ready 」パソコンであったとしても、機能拡張が必要な場合もあるのが現実なので、その点は覚えておいたほうが無難です。

尚、「Windows Vista Capable」であるか、あるいは「Windows Vista Premium Ready 」であるかなどは、パソコン本体にシールが張ってあったり、直販サイトならページ掲載されているのですぐわかるはずです。ただし、メーカーによっては「Windows Vista」相当スペックのパソコンであっても、これらのシールをはっていないこともあるので、シールがはっていないので全くWindows Vista が動作しないともいえないこともあります。

Windows Vista へのアップグレードサービスが充実
次期OSのWindows Vista への移行も考慮して、メーカーにより内容は異なりますが、優待価格での Windows Vista へのアップグレードキャンペーンを実施しており、Windows Vista 発売前にパソコンを購入しても損をしないような対策がとられているので、Windows Vista への移行を検討している場合も、心配しないで購入できると思います。

ワイド液晶が標準化
Windows Vistaは、画面右側にガジェットというアクセサリソフトを置くエリアを設けるなど、ワイド液晶でより使いやすくなるように設計になっていることから、業界全体の流れとしてワイド液晶の画面サイズが標準化しています。A4ノートパソコンの液晶は「15.4型ワイド」が完全に主流になっています。

■ワンポイントアドバイス
このガジェットというアクセサリソフトを置くエリアは邪魔なら消すこともでき、Windows Vista の開発途上バージョンを実際に使ってみると、個人的見解になりますが、かなり邪魔に感じるので、ガジェットを非表示にし自分なりに使いやすい環境にしてパソコンを利用したほうがいいとも言えるので、必ずしもワイド液晶にこだわる必要はないと思います。

「Core 2 Duo(コア・ツー・デュオ)」搭載パソコンが続々登場
高性能CPUでは、CPU内部にデータ処理を実行する回路(コア)が2つある「デュアル・コアCPU」が搭載されているパソコンも珍しくなくなりつつあるが、2006年秋モデルでは、「処理速度を向上させつつ、消費電力を減少させた」インテル社の最新CPU「Core 2 Duo(コア・ツー・デュオ)」搭載のパソコンが続々登場しています。

デスクトップ用とノート用があり、Pentium D より低い動作周波数であっても処理性能が高く、消費電力も小さい最新の技術です。

デスクトップパソコンに「 Celeron M 」搭載の液晶一体型が増えている
デスクトップパソコンでは、ノート用CPUの「 Celeron M 」搭載の液晶一体型が増えています。デスクトップ用の「 Celeron D 」よりも消費電力が少なく、発熱量も小さいため、ボディーをコンパクトに設計できるメリットもあります。冷却ファンの動作が小さくなるため、静音性にも向上しています。

「Core 2 Duo(コア・ツー・デュオ)」を搭載できない場合には、「 Celeron M 」搭載モデルを選択するとよいでしょう。

グラフィック性能が向上
Windows Vista の動作スペックがかなり高いため、グラフィック性能もかなり向上しています。

メモリー容量がアップ
Windows Vista 対応を考慮して、メモリー容量がアップしており、低価格モデルでも512MB、中上位モデルでは1GBが当たり前になり、サクサク快適に動作してくれるはずです。

ボディーカラーを選ぶことができる
メーカー直販サイトでは、ボディーカラーを選択することができるモデルが増えています。

WindowsXP パソコン購入にお得で最適な時期
その他、注目したい点として、現在のパソコンのOSは WindowsXP なので、Windows Vista 発売の2007年1月までパソコン購入を待ったほうがいいのでは……と悩むこともあるかと思います。

しかし、今、パソコンを購入しようかと検討している場合は、「Windows Vista Capable」や「 Windows Vista Premium Ready 」などの「Windows Vista 対応」機種ということをあまり深く考えないで、現在、何をするためにパソコンが必要なのか、そして、それを実現させるためにはどのようなスペックの機種を選択したらよいかということと、予算を考えて購入するが一番の選択肢になると思います。 特に、パソコン初心者であれば、現在のOSとかなりインターフェイスの異なる Windows Vista でとまどうより、成熟して安定しているWindowsXPパソコンを購入するのが無難だと思います。

現在、Windows Vista 標準搭載のブラウザ Internet Explorer 7 を利用すると、閲覧できないページがあるなどのバグが確認されており、Internet Explorer 7 以外のブラウザで閲覧するようサイトに注意喚起の掲載をしている企業のWebサイトも多数存在している現実は無視すべきではないと思います。アプリケーションソフトが現在のWindowsXPでは動作するが、新OSのWindows Vista では正常動作しない可能性もあることも考慮すべきでしょう。最終的には各種対策がとられると思いますが、時間がかかるでしょう。

「WindowsXP を買わないで Windows Vista の発売を待つか」で迷うより、「Windows Vista の導入こそ慎重に検討すべき」時期が現在であることを忘れないようにしたいものです。

また、パソコンに詳しい人なら、今 Windows Vista 対応のパソコンを購入することにより、Windows Vista が発売されたら、マルチ・ブート環境にして2つのOSを使う環境も作れるので、この秋のパソコンは非常にありがたい仕様のパソコンとも言えます。

価格に関しては、現在発売中のパソコンは「最後のWindowsXP搭載パソコン」になるため、価格が底値に近いと言えるので、WindowsXPパソコンを購入するなら、お得な今が最適だということが推測できます。低価格モデルほど、お得な買い時と言えます。

CPU

パソコンの頭脳であるCPUの2006年秋モデルの中心製品の傾向は以下のとおりです。

【2006年秋モデルのCPU傾向】
PCタイプ CPU 解  説
ノート Core 2 Duo
(Merom)
(コア・ツー・デュオ)
(メロム)
「Core 2 Duo(コア・ツー・デュオ)」は、「Core Duo(コア・デュオ)」を更に進化させ、「処理速度を向上させつつ、消費電力を減少させた」インテル社の最新デュアル・コアCPUで、デスクトップにも採用されています。

ノートパソコン用「Core 2 Duo」の開発コード名が「メロム(Merom)」になります。

もともとの開発目的は、下記【補足情報】にもあるように、「デスクトップの処理能力と発熱量や消費電力対策として考案された」CPUなのです。

Core 2 Duo
(Merom)
プロセッサー・
ナンバー
動作
クロック
FSB 2次
キャッシュ
TDP
T7600 2.33GHz 667MHz 4MB 34W
T7400 2.16GHz
T7200 2GHz
T5600 1.83GHz 2MB
T5500 1.66GHz
「Core 2 Duo」は478ピン形状(ソケットMとも呼ばれる)で提供される。「Core Duo」と違い、Intel 64を搭載している。上位3モデルの2次キャッシュが4MBと多い点はデスクトップ版「Core 2 Duo」と同じ。

【補足情報】
インテル社の「Core 2 Duo E6700(2.66GHz)」と「Pentium D 960(3.6GHz)」のベンチマークテスト比較によると、「性能が40%以上高速になったにもかかわらず、消費電力は40%以上減少」という結果かが得られたといいいます。

これまで、同社のCPU設計は、ノート用は「低い動作周波数でも高い処理効率を上げる」設計になっているのに対し、デスクトップ用は「動作周波数の高さで処理効率を上げる」というように、ノート用とデスクトップ用では異なるマイクロアーキテクチャーを使っていました。

それゆえ、デスクトップ用CPUは、動作周波数のアップによって処理効率は向上するため発熱量も増加していました。最近に関しては、「発熱量だけが増えるだけで、処理速度は頭打ち」という現実があり、そこで考案されたのが、ノート用CPUとデスクトップ用CPUの構造を共通化した「Core 2 Duo」。

1回の動作で処理できる命令の数を増やしたり、メモリーのデータを効率よく読み出す技術を投入して、動作周波数を低く抑えたまま処理速度の高速化を実現しました。更に消費電力も強化し、動作周波数の低下と相まって、省エネ効率も高めています。
Core Duo
(コア・デュオ)
インテル社の「Core Duo(コア・デュオ)」はノート用としては初めてのデュアル・コアCPUで、「Yonah(ヨナ)」の開発コード名で知られています。

ノートPCのデュアル・コア化により、処理効率が高速化されたほた、CPUやチップセットの省電力機能も強化されており、バッテリー駆動時間も向上しています。

Core Duo
プロセッサー・
ナンバー
動作
クロック
FSB 2次
キャッシュ
TDP
T2700 2.33GHz 667MHz 2MB 31W
T2600 2.16GHz
T2500 2GHz
T2400 1.83GHz
T2300 1.66GHz
L2400 15W
L2300 1.50GHz
U2500 1.20GHz 533MHz 9W
プロセッサー・ナンバーの最初のアルファベットは駆動電圧を表し、Tは通常電圧版(25〜49W)、Lは低電圧版(15〜24W)、Uは超低電圧版(14W以下)を示しています。

その他、T2050(1.60GHz、533MHz、2MB)というOEM向け製品や、T2300というVT(Virtualization Technology=仮想化技術)を省いた製品などもあります。

「デュアル・コアCPU」について】
「デュアル・コア」構造の場合、CPU内部でデータ処理を実行する回路(コア)が2つあり、「スレッド」と呼ばれるデータ処理ブロックを、それぞれのコアで同時に処理できます。ビデオ編集ソフトで動画を圧縮しながらゲームをするなど、複数の作業を同時にこなす際に威力を発揮します。ただし、Photoshopなどのマルチスレッド対応ソフトなら単独使用でもデュアル・コアCPUの性能を引き出せますが、まだまだマルチスレッド対応のソフトが少ないのが現実です。

「HT(ハイパー・スレッディング)」CPUも2つのスレッドを同時処理できますが、1つのCPU内での処理作業なので、デュアル・コアの方が同時処理効率は高くなります。
Core Solo
(コア・ソロ)
ノート向けCPUであるPentium Mは、Pentium 4より動作クロックが低いにもかかわらずFPU性能(浮動小数点演算)が高いという特長があるため、FPU性能が重要なゲーム用途で人気があります。

Coreシリーズは,このPentium Mの後継に位置づけられるCPUで、上記でも説明していますが、「Core Duo」はCPU内部でデータ処理を実行する回路(コア)が2つあるのに対して、「Core Solo」は1つになります。

バッテリー駆動時間も向上しています。

Core Solo
プロセッサー・
ナンバー
動作
クロック
FSB 2次
キャッシュ
TDP
T1400 1.83GHz 667MHz 2MB 27W
T1300 1.66GHz
U1400 1.20GHz 533MHz 5.5W
U1300 1.06GHz
「Core Duo」のCPUでも解説していますが、プロセッサー・ナンバーの最初のアルファベットは駆動電圧を表し、Tは通常電圧版(25〜49W)、Lは低電圧版(15〜24W)、Uは超低電圧版(14W以下)を示しているが、U1400やU1300のTDPはわずか5.5Wとなっている。
Pentium M 「Pentium M」は、少し前までは上位のCPUとして搭載されていましたが、「Core DUo」の登場により中堅機種に搭載され
つつあります。

「Pentium M」は、処理状況に応じて動作周波数を変え、消費電力を節約する「拡張版SpeedStep」機能があるため、「Celeron M」よりもバッテリーのもちがよく、モバイルPCに多く採用されています。

Pentium M
プロセッサー・
ナンバー
動作
クロック
FSB 2次
キャッシュ
TDP
780 2.26GHz 533MHz 2MB 27W
770 2.13GHz
760 2GHz
750 1.86GHz
740 1.73GHz
インテル社のモバイル市場における地位を確固たるものにしたCPU。シングル・コアだが、1コアしか使わないような処理なら十分利用価値はある。
Celeron M 低価格機では、十分な性能を持つ「Celeron M」搭載モデルが現在も主流です。Officeなどの事務系ソフトの利用、メール、Web閲覧が中心なら十分満足できます。

また、最近では、これまでノートPCに搭載されることの多かった「Celeron M」をデスクトップPCに搭載し、本体のスリム化を実現した機種も多数あり応用のきくCPUと言えます。

Celeron M
プロセッサー・
ナンバー
動作
クロック
FSB 2次
キャッシュ
TDP
430 1.73GHz 533MHz 1MB 27W
420 1.60GHz
410 1.46GHz
380 1.60GHz 400MHz 21W
「Celeron M」は「Pentium M」とコアの基本設計は同じだが、EISTがないのが一番大きな違いになります。

EISTとは「Enhanced Intel SpeedStep Technology」の略称で、インテル社が開発した省電力を実現する電力管理機能のこと

従来のSpeedStepでは電源使用時とバッテリー駆動時で2つの動作クロックを切り替えられ「Maximum Performance Mode」と「Battery Optimized Mode」が提供されていた。

EISTではこれら2つのモードに加え、CPUの負荷に応じて自動的に切り替える「Automatic Mode」が追加されており、プロセッサの負荷に応じて動作クロックと動作電圧が動的に切り替えられることによって、プロセッサ全体の平均消費電力を下げ、省電力化を実現している。
モバイル
Sempron
AMD社の「モバイルSempron」は「Celeron M」のライバルCPUとして多くの機種で採用されています。

当サイトの各ページにおいて、ノートPCの仕様で「Sempron」と記載している場合、正確には「モバイルSempron」のことです。
Turion 64 AMD社のノートPC向け64bit対応CPUで、「Pentium M」のライバルとして高スペック機に搭載されています。
Turion 64×2 AMD社のモバイル向けデュアル・コアCPU。メモリはDDR2に対応している。シングル・コアのTurion 64とは互換性のないソケットS1を使う。省電力機能は「PowerNow!」と呼ばれ、Athlon64系のCnQに相当します。

Turion 64×2
プロセッサー・
ナンバー
動作
クロック
FSB 2次
キャッシュ
TDP
TL-60 2GHz 800MHz 512KB×2 35W
TL-56 1.80GHz 33W
TL-52 1.60GHz 31W
TL-50 256KB×2
デスクトップ Core 2 Duo
(Conroe)
(コア・ツー・デュオ)
(コンロー)
最新のデュアル・コアCPU。ノート用 Core 2 Duo と基本構造は同じで、低消費電力と高性能な処理能力を両立させています。

デスクトップパソコン用「Core 2 Duo」の開発コード名が「コンロー(Conroe)」になります。

Core 2 Duo
(Conroe)
プロセッサー・
ナンバー
動作
クロック
FSB 2次
キャッシュ
TDP
E6700 2.66GHz 1066MHz 4MB 65W
E6600 2.40GHz
E6400 2.13GHz 2MB
E6300 1.86GHz
デスクトップ用 Core 2 Duo のプロセッサー・ナンバーの頭文字は「E」で、6000番台の番号がわりふられています。下位2製品の2次キャッシュは2MBと少ないので利用用途により注意したい。Pentium Dと比べて発熱量が大きく下がっています。
Pentium D デスクトップの高スペックモデルに搭載されているインテル社の新しいCPU。今まで高スペックモデルの主流だった「Pentium 4」をしのぐ割合で搭載されています。

最大の特徴は「デュアルコア」構造で、CPU内部でデータ処理を実行する回路(コア)を2個内蔵しており、「スレッド」と呼ばれるデータ処理ブロックを、それぞれのコアで同時に処理できる。ビデオ編集ソフトで動画を圧縮しながらゲームをするなど、複数の作業を同時にこなす際に威力を発揮します。Photoshopなどのマルチスレッド対応ソフトなら単独使用でもデュアルコアの性能を引き出せますが、まだマルチスレッド対応のソフトが少ないのが現実。

「HT(ハイパー・スレッディング)」の「Pentium 4」も2つのスレッドを同時処理できますが、デュアルコアの「Pentium D」は同時処理効率が更に高く、「Pentium 4」の後継とされています。

AMD社の「Athlon 64×2」も64bitデュアルコアCPUですが、まだ店頭モデルで標準搭載されているマシーンがないため、BTOショップ、自作、直販サイトでCPU選択できる場合にのみ搭載が可能になるようです。

Pentium D
プロセッサー・
ナンバー
動作
クロック
FSB 2次
キャッシュ
TDP
960 3.60GHz 800MHz 2MB×2 130W
950 3.40GHz 95W
945
940 3.20GHz
930 3GHz
915 2.80GHz
805 2.66GHz 533MHz 1MB
プロセッサー・ナンバー「950」と「940」にはTDPが130Wと95Wと異なる製品もあります。95Wに下がったのも、EISTが利用可能になったのもC1ステッピング以降。プロセッサー・ナンバー「945」「915」「805」はVT(Virtualization Technology=仮想化技術)はありません。
HT Pentium4 高スペックモデルに搭載されることが多かったが、「Pentium D」登場以降は中堅機種のCPUという感じ。

「HT(ハイパー・スレッディング)」なので2つのスレッドを同時処理できますが、デュアル・コアCPUの「Pentium D」は更に同時処理効率が高いため、「Pentium D」に移行しつつあります。

HT Pentium4
プロセッサー・
ナンバー
動作
クロック
FSB 2次
キャッシュ
TDP
661 3.60GHz 800MHz 2MB 86W
651 3.40GHz
641 3.20GHz
631 3GHz
シングル・コアだが機能は十分。プロセッサー・ナンバー600番台で、下1桁が「1」の製品が現在の中心だが、VT(Virtualization Technology=仮想化技術)を加えた高額な下1桁が「2」の製品もあります。また、下1桁が「0」の製品も流通しています。
Celeron D 低価格で十分な性能があり実用性の高い「Celeron D」は現在も主流CPUと言えます。

Celeron D
プロセッサー・
ナンバー
動作
クロック
FSB 2次
キャッシュ
TDP
356 3.33GHz 533MHz 512KB 86W
355 256KB 73W
352 3.20GHz 512KB 86W
351 256KB 84W
346 3.06GHz
336 2.80GHz
331 2.66GHz
326 2.53GHz
プロセッサー・ナンバー「356」と「352」の2次キャッシュは「512KB」と他の2倍になっています。現在の中心製品は下1桁が「1」「6」。プロセッサー・ナンバー「355」と「352」は64ビット環境対応のIntel64を搭載してます。
Sempron
(AM2版)
AMD社の低価格機に搭載されることの多いCPU。「Celeron D」の対抗CPUと言えます。

Sempron (AM2版)
プロセッサー・
ナンバー
動作
クロック
FSB 2次
キャッシュ
TDP
3600+ 2GHz 800MHz 256KB 62W
3500+ 128KB
3400+ 1.80GHz 256KB
62W
35W
3200+ 128KB 62W
35W
3000+ 1.60GHz 256KB 62W
35W
プロセッサー・ナンバーがあがるごとに2次キャッシュ量が交互に入れ替わるが、その数値と性能の基準はAthlon64とは別次元。
Athlon64 AMD社の64ビット機能対応のデスクトップ用シングルコアのCPU。最新のAthlon64 ×2 の登場により、秋モデルでの搭載はほとんどない。

Athlon64 (939版)
プロセッサー・
ナンバー
動作
クロック
FSB 2次
キャッシュ
TDP
3800+ 2.40GHz 1GHz 512KB 89W
3500+ 2.20GHz 67W
Athlon64 (AM2版)
プロセッサー・
ナンバー
動作
クロック
FSB 2次
キャッシュ
TDP
3800+ 2.40GHz 1GHz 512KB 62W
3500+ 2.20GHz 62W
35W
3200+ 2GHz 62W
シングルコアのAthlon64からは、以前存在した2次キャッシュが1MB版はなくなり、主に上記の製品が流通している。
Athlon64 ×2 AMD社のAthlon64をベースにした最新のデュアル・コアCPU

Athlon64 ×2 (939版)
プロセッサー・
ナンバー
動作
クロック
FSB 2次
キャッシュ
TDP
4800+ 2.40GHz 1GHz 1MB×2 110W
4600+ 512KB×2
4400+ 2.20GHz 1MB×2 89W
4200+ 512KB×2
3800+ 2GHz
DDR2対応のソケットAM2版と、DDR2対応のソケット939版はマザーボードの互換性はないが、プロセッサー・ナンバーの命名規則は同じ。製造プロセスは両方とも90nmになり、メモリのピーク性能差はあるが、基本スペックはほぼ同じ。但し、939版のコアはTDPが高く、EE版(Energy Efficient=通常版より消費電力の効率がよいバージョン)などはない。
Athlon64 ×2 (AM2版)
プロセッサー・
ナンバー
動作
クロック
FSB 2次
キャッシュ
TDP
5000+ 2.60GHz 1GHz 512KB×2 89W
4800+ 2.40GHz 1MB×2 89W
65W
4600+ 512KB×2 89W
65W
4400+ 2.20GHz 1MB×2 89W
65W
4200+ 512KB×2 89W
65W
4000+ 2GHz 1MB×2 89W
65W
3800+ 512KB×2 89W
65W
35W
プロセッサー・ナンバーが200上がるごとに2次キャッシュ容量が切り替わっています。このため、動作クロックより2次キャッシュ容量が重要視され、「5000+と4800+」、「4600+と4400+」、「4200+と4000+と3800+」など、プロセッサー・ナンバーが下の数値の製品価格が上の数値の製品価格より高く逆転していることもあります。TDP「65W」が「EE版」、TDP「35W」が「EE-SFF版(Energy Efficient Small Form Factor=EE版より更に消費電力の効率がよいバージョン)」になります。

■AMD社のCPUワンポイントアドバイス
AMD社のCPUのプロセッサー・ナンバーもある程度規則性が見られるなり、動作クロックや2次キャッシュを基準に数値の大小を表しているため、性能の優劣が把握しやすくはなったが、それはあくまでも同一CPUのプロセッサー・ナンバー内だけの話ということを覚えておく必要があります。

【最低限知っておきたいCPU関連の用語】
用語 解 説
キャッシュ データを一時的に保存しておく領域のこと。同じような処理を繰り返す場合、無駄にメモリーからデータを引き出す必要がないたように考えられたCPUの性能をひきだすための技術です。
FSB 「Front Side Bus」の略称で、CPUとチップセットを結ぶBus(バス=データの通り道)あるいはその速度を示します。速度の場合「……MHz」と記述され、値が大きいほど高速になります。
TDP 「Thermal Design Power」の略称。「熱設計電力」と訳され、プロセッサの設計上想定される最大放熱量を表わす単位になります。
VT 「Virtualization Technology」の略称。「仮想化技術」と訳され、1台のパソコンで2つ以上のOS(オペレーション・システム)を同時起動する時に便利な技術。ただし、現在のところ一般的な利用をしている場合、ほとんど利用価値は低い。
Centrino
(セントリーノ)
パソコンによっては「Centrino(セントリーノ)」というシールが貼っている場合があり、これはインテル社製のプラットフォーム(特定のCPUやチップセットの組み合わせ)のブランド名のこと。「Centrino(セントリーノ)」は高性能ノートパソコン向けで、Core Duo やPentium M などの省電力CPUと、それに対応したチップセット、インテル製の無線LANユニットの組み合わせを示しています。
Viiv
(ヴィーブ)
パソコンによっては「Viiv(ヴィーブ)」というシールが貼っている場合があり、これはインテル社製のプラットフォーム(特定のCPUやチップセットの組み合わせ)のブランド名のこと。「Viiv(ヴィーブ)」は、AV機能(オーディオ・ビジュアル機能)を強化したデジタル・エンターテインメントパソコン向けで、Core 2 Duo などの高性能デュアル・コアCPU、それに対応したチップセット、WindowsXP Media Center Edition 2005を搭載し、ブロードバンド動画配信サービスにも対応していることを示しています。

メモリー

一部の低価格モデルを除き、ほとんどのパソコンには512MBのメモリーが標準搭載されています。低価格機でさえ、直販メーカーサイトでは「メモリー512MB無料アップグレード」キャッペーンを実施することも多くなっています。

これは、以前なら、現在のWindowsパソコンのOSである「WindowsXP Service Pack2(サービス・パック2)がかなりメモリーを消費するために標準搭載しているとも解釈できますが、2006年秋モデルに関しては、次期OSのWindows Vista への移行を前提にしているためという意味合いが強いためです。

WindowsXPで一般的な利用するなら512MBでも十分ですが、動画編集、DTP、CAD、3Dゲームなど高いスペックを要求される場合や、Windows Vista への移行を検討している場合には756MBや1GBの大容量搭載モデルを選択したほうが無難です。

メモリーの大きさは、デスクトップPC用、ノートPC用、携帯ノートPC用でそれぞれ異なったり、「PC2-5300」や「PC3200」などはメモリーの速度の規格が違うと動作しないこともあるので、あまりパソコンに詳しくない場合は、直販メーカーサイトなら、その機種に対応しているメーカー純正のメモリーを一緒に増設してもらって購入する方が無難です。

【メモリー規格と速度について】
タイプ 規格 最大データ
転送速度
(動作周波数)
解説
DDR2 SDRAM PC2-5300
(DDR2-667)
約5.3GB/秒 主流は「DDR SDRAM」と「DDR2 SDRAM」

以前の「SDRAM」は動作周波数1クロックあたりデータ転送は1回だが、「DDR SDRAM(以下「DDR」)」は2回。

最新の「DDR2 SDRAM(以下「DDR2」)」は「DDR」に比べ、1クロックあたりデータ転送量が2倍に向上している。同じ動作周波数なら「DDR」は「SDRAM」の2倍、「DDR2」は4倍のデータを転送ができ、主に高スペックモデルに搭載されています。

規格が「PC2-5300」の場合、「PC2」の部分は「DDR2」であることを、「5300」の部分はデータ転送速度を示しています。また「DDR2-667」と表記することもあり、「SDRAM」の「667MHz相当」で動作することを意味しています。

★注目の新メモリー技術
最近では「デュアルチャンネル対応」のメモリーも増加しており、2枚組み合わせて使用すると、データ転送速度が2倍になるというものです。

従来までは、メモリーは512MBが1枚のほうが処理は速かったのですが、「デュアルチャンネル対応」のメモリーを利用すると、メモリーバス(データの通り道)が通常の1本ではなく2本(デュアル)あるため速くなるという理屈はいたって簡単な技術です。

あくまで「デュアルチャンネル対応」のメモリーを利用した場合なので、普通のメモリーは512MBが1枚のほうが処理は速くなるので注意してください。
PC2-4200
(DDR2-533)
約4.2GB/秒
PC2-3200
(DDR2-400)
約3.2GB/秒
DDR SDRAM PC3200
(DDR400)
約3.2GB/秒
PC2700
(DDR333)
約2.7GB/秒

HDD(ハード・ディスク・ドライブ)

ますます「テレビパソコン」の人気で、ハード・ディスク・ドライブ(以下「HDD」)の容量は大容量になっていますが、パソコンメーカーの直販サイトで仕様変更できる場合は、自分が必要としている容量を選択することが賢い選択と言えます。

★ワンポイント・アドバイス
デスクトップに限らずノートパソコンのHDDも大容量化の傾向にあり、大は小をかるね……とも言えますが、テレビはテレビ、パソコンはパソコンと割り切って考え、また動画の録画や編集作業をしないのであれば、HDDの容量はさほど気にしなくてもよいと思います。

HDD容量が大きいと、データがたくさん保存できるのは事実です。しかし、万一パソコンが故障した場合には、全てのデータを一瞬にしてなくしてしまう可能性があるので、データ保存は外部のHDDなどにすると考えれば、HDDの容量は標準搭載程度で十分だと思います。現在のパソコンは、ノートタイプでさえHDDの容量が30GB〜40GBなので、Officeなどの事務系ソフトの利用、メール、Web閲覧が中心の利用なら足りなくなることはないでしょう。

当サイト管理人の場合、ノートパソコンの容量は40GBで、「80GB」と「120GB」の外付けできるHDDを所有していて、データのほとんどはそっちに保存しています。パソコンには、ほとんどデータは保存していません。また、本当に重要なデータは「MOディスク」や「CD-ROM」などに保存しています。

ただし、動画保存や編集をする場合には、やはりある程度HDDの容量がないとパソコンの動作が遅くなるので、最終的には「パソコンで何をやりたいのか?」になってしまうと思います。

光学ドライブ(CD/DVDドライブ)

2006年夏モデル同様、ほとんどは「DVDスーパーマルチ」ドライブが搭載され、現在市販されている記録型DVD(DVD-R/+R/-RW/+RW/-RAM)やCDメディア全てに書き込みが可能です。

パソコン直販メーカーの機種によっては、仕様を自由に変更できるため、標準仕様が「DVDスーパーマルチ」ドライブとは限らないので、自分の希望する光学ドライブを選択しましょう。

【CD/DVDメディアの種類】
メディア
の種類
記憶
容量
解  説
CD-ROM 650MB
〜700MB
再生のみできる。
CD-R 一度だけ書き込み可能で、記録したデータの消去できない。
CD-RW データの書き込み、消去、書き換えができる。
DVD-ROM 4.7GB 再生のみできる。
DVD-RAM 特別なソフトなしでも簡単にデータを書き込める。
DVD-R ディスク価格が安く最も一般的で対応機種が多い。ただし、一度記録したデータの消去できない。
DVD+R DVD-Rと同等だが、規格を決めた団体が異なるため、DVDプレーヤーなどで再生する際、規格が対応しているかが問題となる場合があるので注意が必要。
DVD-R DL
(片面2層)
8.5GB 一度記録したデータの消去できない。「DVD-R DL」の「DL」は「ダブル・レイヤー」=「片面2層」という意味で、片面2層ディスクだから8.5GBの容量になるのです。
DVD+R DL
(片面2層)
DVD-R DLと同等だが、規格を決めた団体が異なる。
DVD-RW 4.7GB データの書き込み、消去、書き換えができる。-Rメディアより単価が割高。
DVD+RW -RWと同等だが、規格を決めた団体が異なるため(+Rを規格した団体)、DVDプレーヤーなどで再生する際、規格が対応しているかが問題となる場合があるので注意が必要。
Blu-ray Disc 25GB 次世代の光学ドライブの一つで、片面2層の「BD-R(追記型)」と「BD-RE(書き換え型)」があるが、ドライブ本体もメディアもまだ価格が高い。
Blu-ray Disc
(片面2層)
50GB
HD DVD-ROM 15GB 次世代の光学ドライブの一つで、パソコン向け「HD DVD-ROM」は、まだ書き込み対応のものがなく、再生専用しかない。今後の書き込み対応製品の発売を期待したいが、ドライブ本体もメディアもまだ価格が高い。
HD DVD-ROM
(片面2層)
30GB

★注目の次世代の光学ドライブ
「Blu-ray Discドライブ」という次世代の光学ドライブ搭載のパソコンが富士通など一部のメーカーから発売されつつあります。片面2層の「BD-R(追記型)」と「BD-RE(書き換え型)」があり、最大50GBのデータを書き込める。

また「HD DVD-ROM」という読み出し対応ドライブを搭載したパソコンが東芝など一部のメーカーから発売されており、ハイビジョン品質映像を収録した市販のHD DVD-ROMタイトルが再生できる。

グラフィックス

パソコンの画面描画機能を受け持つグラフィックスは「チップセット内蔵型」と「高性能の独立タイプ」があります。最近は、チップセット内蔵型の性能が向上し、高度なグラフィック性能が要求される処理もこなせるようになっています。

Windows Vista 対応の機種に関しては、かなり高いスペックのグラフィックスが要求されているので、現在のOSであるWindowsXPで利用する分には十分すぎるほどです。

WindowsXP機で3Dゲームなどを快適に楽しみたい場合に限っては、やはり独立タイプのグラフィックス搭載機を選択するのが無難です。「FF(ファイナル・ファイタジー)」や「リネージュU」などのネットゲームなどによっては、グラフィックスやビデオメモリー容量を指定しており、指定のもの以外だとゲームが動作しない場合があるので注意してください。

しかし、ゲームは利用しなく、事務処理、メール、Web閲覧など一般的なことしかしないのであれば、標準搭載のスペックで問題が生じることはまずありません。逆に、Windows Vista に移行を予定している場合には、かなり高いスペックのグラフィックスが要求されていることを忘れないでください。

「GeForce Go 7600」などは高性能ノートPCに搭載されている独立タイプのグラフィックス、「RADEON
XPRESS 200M」はチップセット内蔵型
に該当します。

液晶ディスプレイ

現在では、デスクトップPCもほぼ100%液晶ディスプレイになっています。

【2006年秋モデルの傾向】
PCタイプ 解  説
ノート 2006年夏モデルまではA4ノートの主流は「15インチ」でしたが、2006年秋モデルでは Windows Vista 対応を意識して「15.4型ワイド」モデルが主流になりました。他の機種に関しても「ワイド液晶」が主流になります。

Windows Vistaは、画面右側にガジェットというアクセサリソフトを置くエリアを設けるなど、ワイド液晶でより使いやすくなるように設計になっていることを意識しての画面サイズなのです。

また、「ワイド液晶」でDVDの映画を見た場合、画面上下の黒い部分が少ないので、違和感なく視聴することができます。これは液晶の性能が向上したのではなく、画面の縦横比率が映画スクリーン比率に近くなったためです(映画やテレビなどは、適切な画面比率があるのです)。

15インチよりも表示エリアは広いので、エクセルなど表計算ソフトの表示範囲が拡大され見やすくなるメリットもあると言えます。

しかしながら、個人的見解になりますが、WindowsXPを使い続けたり、Windows Vista のガジェットというアクセサリソフトを置くエリアは非表示にして利用しないのであれば必ずしもワイド液晶でなくてもよいと思います。
デスクトップ デスクトップは「17インチ」と「20インチ」などが主流ですが、デスクトップもWindows Vista 対応を考慮して「ワイド液晶」モデルが主流になりましたとも言えるし、以前からのテレビパソコンの人気に後押しされ、デジタル放送対応モデルが増えたため「ワイド液晶」が増加したとも言えます。デジタルチューナー内蔵モデルには、「16 : 9」のハイビジョン画面にあわせたワイド液晶も標準搭載されている場合もあります。

【液晶の規格】
液晶規格 画面解像度
(単位:ドット)
縦横比 解  説
VGA 640×480 4 : 3 「XGA」や「WXGA」の表記は、「画面解像度=表示ドット数」など液晶の規格を示しています。

「GA」は「Graphics Array」のことで、直訳すれば「画像配列」のような意味になります。

A4ノートの15インチ液晶は「XGA」の「1024×768」が標準になります。

「WXGA」は「XGA」画面よりも横長で「ワイド」なので、頭文字の先頭にワイドの意味の「W」がついています。また、解像度が高い規格には「S(スーパーという意味)」や「+(プラス)」の文字や記号がつきます。「U」は「Ultra (ウルトラ)」になり縦の比率が大きくなる時につきます。

解像度が高くなると、より広範囲を表示できるようになりますが、表示文字が小さくなるので注意してください。

ワイド液晶は、ハイビジョン「16 : 9」に近い縦横比なので、DVDで映画を見る用途などに適しています
SVGA 800×600 4 : 3
XGA 1024×768 4 : 3
WXGA 1280×768 15 : 9
1280×800 16 : 10
1360×768 16 : 9
WXGA 1440×900 16 : 10
SXGA 1280×1024 5 : 4
SXGA 1400×1050 4 : 3
WSXGA+ 1680×1050 16 : 10
UXGA 1600×1200 4 : 3
WUXGA 1920×1200 16 : 10

【メーカー独自の液晶の特徴】
メーカー 名称 解  説
NEC スーパーシャインビュー
(EX、EX2)、
高輝度デジタルTFT液晶
明るくて応答性が速い高性能版の「スーパーシャインビューEX2」液晶は、LaVie Lの売れ筋モデルLL750/DDにも搭載されています。
シャープ RCエンジン搭載
ASV方式ブラックTFT、
ピュアクリーン
XGシリーズの「ASV方式ブラックTFT」液晶は、液晶テレビと比べてもトップクラスの明るさ(輝度630cd/u)で、視野角も広いです。さすが「液晶のSHARP」です。

★輝度の単位解説
「cd/u」は「輝度(明るさ)」を示す単位で、「cd(カンデラ)、/(まい)、u(平方メートル)」、つまり1u当たりの明るさと示しています。「nit(ニット)」や「lm/sr・u]」などと表記されることもあります。
東芝 (高色純度、高輝度)
Clear Super View
Qosmio上位モデルに搭載され、2灯式バックライトで明るさを向上させ、色の表現範囲も広いです。
富士通 スーパーファイン
(DXU、VX)、
低反射ハイビジョン
「スーパーファインDXU」はノート用、「スーパーファインVX」はデスクトップ用の高性能液晶で、色の表現範囲が広く鮮やかです。
ソニー クリアブラック(LE) 名前のとおり黒を美しく表現でき液晶です。光沢タイプの液晶ですが、ARコート処理という技術をほどこし画面の不要な映りこみを低減しています。

★「ARコート」の解説
「ARコート」とは、「特定の波長を吸収することで外光の反射を減らす」光沢液晶に利用されている技術です。吸収する波長の範囲を広げれば(多層ARコート)それだけ外光反射を抑制できるのですが、コストが高くつくうえ、輝度(明るさ)が低下してしまう欠点があります。
日立 ラスタビュー、
スーパーラスタビュー(EX)、
スーパーピュアカラー、
ピュアカラー
「スーパーラスタビュー」は高輝度かつ低反射の液晶です。EXタイプは、この「スーパーラスタビュー」液晶に視野角が広いという特徴をあわせもたせた液晶になります。

【注目の液晶技術】
最近では、パソコンの液晶でも液晶テレビ並みの画質を様々な技術研究がなされています。

「高色純度液晶」という技術では、液晶の裏側で発光するバックライトを改良し、表現できる色の範囲を広げ、映像をより鮮やかに表示できます。

「2灯式バックライト」という技術では、名前の示しているとおりバックライトを2つ搭載し、昼間の明るい室内でも暗さを感じずテレビ視聴が楽しめる工夫がなされています。

モバイルPCでは、白色LED(発光ダイオード)を使ったバックライトを搭載することにより、消費電力をおさえたほか、LEDがコンパクトであることを利用して液晶部分を薄くしています。

新しいインターフェイス

【注目の次世代インターフェイス】
タイプ 規格 最大転送速度 解  説
Express Card USB2.0 480Mbps
(60MB/秒)
「Express Card」は、PCカードより小さくデータ転送速度が速いため、PCカードの次世代規格として注目されています。

長さはPCカードより約1cm短い75mmで、幅は「Express Card/34」は34mm「Express Card/54」は54mmの2種類あります(厚さは同じ)。「Express Card/54」の形状は「L字型」みたいな四角形の一部が欠けているような形状なのですぐ区別はすぐつくはずです。製品にはウサギをイメージしたロゴマークがついています。

カードとパソコン間はUSB2.0か、高速データ転送規格の「PCI Express」でデータをやりとりをします。ギガビット・イーサネットのように高速な周辺機器でも余裕で対応できます。従来の「PCカードTypeUスロット」とは互換性はないので注意。

NECのLaVie Lシリーズ上位モデルや富士通のFMV-BIBLO NBシリーズなど「Express Card」対応スロットを搭載したパソコンも増加傾向にあります。

PCカード規格スロットがすぐなくなることはないと思いますが、パソコンを長く使いたいのであれば、「Express Card」スロットのある機種を選択するのも一考でしょう。
PCI Express
(1レーン)
2048Mbps
(256MB/秒)
PCカード 16bit 160Mbps
(20MB/秒)
Card Bus
(32bit)
1056Mbps
(132MB/秒)

【最低限知っておきたいインターフェイス】
パソコンのインターフェイスとは、パソコンの側面や背面にたくさんある端子のことで、様々な周辺機器を接続する場合に利用するものです。
用語 解 説
USB 最も普及している端子で、様々な周辺機器とつなぐことができる。
IEEE1394 主にデジタルビデオカメラの動画を取り込む時に使うケースが多かったが、利用頻度としては減少傾向にある。外付けHDD(ハード・ディスク・ドライブ)やDVDドライブなどにも接続できる。
PCカードスロット PCカードの差込口。
メモリーカードスロット SDカード、メモリースティックなどのスロット。デジタルカメラなどのデータを取込むのに便利。
LAN ADSLや光回線などのブロードバンド回線やネットワークを組む際に必要な端子。データ転送速度の違いにより、10BASE-T、100BASE-T、1000BASE-Tなどの規格がある。
モデム 電話回線を利用してダイヤルアップ接続してインターネットをする場合に必要になります。
外部ディスプレイ セパレート型(分離型)のデスクトップパソコンの場合は付属のディスプレイを接続するために使う。ノートパソコンの場合は外部ディスプレイやプロジェクターなどとつなぐ場合に利用します。

■端子の種類
D-Sub 15ピン 液晶ディスプレイやプロジェクタなどに映像信号をアナログで映像を出力するタイプ。
DVI-D 液晶ディスプレイやプロジェクタなどに映像信号をデジタルで映像を出力するタイプ。アナログのようにケーブルで信号が劣化しないので綺麗に映像表示できる。
DVI-I アナログとデジタルの両方の信号に対応している。変換ケーブルを使えば、D-Sub 15ピン端子のディスプレイにも接続できます。
S映像出力 内蔵のDVDドライブで再生したビデオをテレビなどに表示する場合などに利用するが、利用頻度は減少傾向にある。
PS/2ポート キーボードやマウスの接続などに利用されている。しかし、USBポートにかわりつつあります。
光デジタル音声出力 MDの録音・再生機能のあるオーディオ機器と接続でき、DVDサラウンドを楽しむ時などに利用します。
HDMI AV家電(オーディオ・ビジュアル家電)と映像・音声入出力端子。映像と音声を1本のケーブルでやりとりできる端子。比較的新しい端子で、今後の普及の可能性が大きいとされている。

インスタントテレビ機能

2006年秋モデルでも、Windowsを起動しなくともテレビを見ることのできる「インスタントテレビ機能」が各メーカーで更に充実しているようです。「インスタントテレビ機能」でも録画や番組再生できるモデルも増えてきましたが、使える機能がメーカーによって異なるので注意が必要です。

【メーカー別インスタントテレビ機能比較】
メーカ 機能名 TV
視聴
テレビ録画 HDD録画番組の再生 CD・
DVD
再生
HDD DVD-RW
/-RAM
インスタント録画分 Windows
録画分
NEC インスタント機能 ×
ぱっと観テレビ、
インスタント機能
× × × ×
シャープ INSTANT PLAY × ×
富士通 インスタントMyMedia
DVD-R
AMのみ
東芝 QosmioPlayer × ×
ソニー インスタントモード × × ×
※上記は2006年春モデルのデータですが、機能は機種や機能変更により随時変わる可能性があるので、必ず仕様を確認するようにしてください。

ダブル・チューナー機能機能

テレビパソコンでは、テレビチューナーを2基内蔵したしたダブルチューナー搭載モデルもあります。違うチャンネルの2番組を同時録画したり、液晶画面を分割して2番組を視聴することができるため便利です。

但し、この機能は、同時録画はできるが同時視聴はできなかったり、その逆であったり、アナログ2番組とデジタル1番組の合計3番組の同時録画ができるなど、メーカーや機種によって性能が異なるのと、発売時期によっても性能が変わる可能性があるので、購入時に製品の仕様を必ず確認してください。

デジタル放送対応モデル、各メーカーの機能の違い

デジタル放送対応モデルが各メーカーから発売されていますが、搭載するチューナー、視聴・録画ソフトの違いにより、使える機能が異なるので注意が必要です。

2006年1月時点では、NEC、富士通、ソニーは、地上デジタル、BS、110度CSデジタルが受信できるのに対して、日立と東芝は、地上デジタルしか受信できないという違いがありました。ソニーのテレビパソコン全モデルに関しては、地上アナログチューナーもダブル搭載しており、「デジタル」と「アナログ2つ」の合計3番組同時録画が可能という違いもありました。

2006年春モデルにおいては、録画機能で、デジタル放送をDVDにムーブ(移動)できる機種が登場しましたが、の機種もコピーワンス番組(データ録画保存が1回しかできない番組)は、その特性の関係で、ハード・ディスク・ドライブ(以下「HDD」)からDVDに直接録画やデータ移行ができない制限があり、この点に関してはDVDレコーダーに劣る状況は変わっていません(機種によります)。また、富士通の一部のテレビパソコンでは番組をダビングできるものもありますが、DVD1枚だけにしかできないなど制限がありました。

機種やメーカーによって仕様が異なるので、必ず仕様を確認してください。

高画質化機能

テレビ・チューナーや液晶には、テレビ視聴や録画の画質を向上させる「高画質化機能」があります。

【代表的な高画質化機能】
機 能 名 解  説
ゴースト低減機能 建物や山に反射して、アンテナに遅延して到達する電波の影響で、画面が2重3重に映る「ゴースト」現象を防ぐ機能です。
デジタル・ノイズ・
リダクション機能
電波状況の悪化などが原因で、画面全体に出るノイズや輪郭のざらつきをデジタル処理によって除去する機能です。
3次元Y/C分離機能 映像を輝度信号(Y)と色信号(C)に分離する際に、水平と垂直方向に加えて前後の画面信号の違いを比較して高精度で分離する機能です。

【高画質化機能を理解するのに知っておきたい用語】
用 語 解  説
I/P変換 「ちらつきの少ない映像に変換すること」。ほとんどの場合、1秒間に60コマの映像に変換しています。
スケーリング 「液晶の解像度にあわせて、映像の解像度を変換すること」。アナログ放送ではVGA程度の解像度(640×480)しかないので、これを引き伸ばして表示しているため、うまく解像度を変換しないと、精細感を失ってしまった映像になってします。
オーバードライブ 「液晶に特有の動きボケ(残像感)を軽減すること」。動きの激しいスポーツ番組を視聴する時に活躍する技術。

【メーカー別の高画質化機能と特徴】
メーカー 高画質化機能名 特 徴
NEC VISITAL 複数の高画質化機能を1チップのLSIに収め、回路間で信号をデジタル伝送して劣化を防ぎます。

★LSI(エル・エス・アイ)とは
「Large Scale Integration」の略称で、IC(集積回路)のうち、素子の集積度が1000個〜10万個程度のものを指します。1970年代に、初期のICから飛躍的に集積度が高まった技術や製品を区別するために生まれた呼称なのですが、現在では「IC」という語と同じく単に半導体集積回路一般を指す言葉として使われています。集積度が10万を超えるものをVLSI、1000万を超えるものをULSIと呼んで区別した時代もありましたが、現在ではこうした区別もほとんど使われなくなりました。
シャープ 鮮やかエンジン 液晶テレビAQUOSで培った液晶技術と、液晶性能を引き出す高画質化技術を融合しています。
東芝 Qosmio Engine 最大17種類の画像処理技術で、ノイズや動画の残像を低減させるうえ、インスタントテレビ機能でも有効に働きます。
富士通 Dixel ハードとソフトの高画質化機能を組み合わせた技術です。
ソニー Motion Reality LE 液晶専用描画エンジンで動画データを処理し高画質を実現しています。「Motion Reality LE」はソフト処理なので多少画質が落ちます。
日立 高画質ハードウエア
TVチューナー
VHSテープからのダビングをした場合、画面のゆらぎを低減するタイムベースコレクターを搭載しています。

★TBC(タイムベースコレクター)とは
VTRは回転ヘッドの回転ムラやテープの走行速度のムラなどにより、映像信号に時間的な変動を持っており、他の映像機器との同期が取れにくくなったり、再生画像に悪影響を与えることがあり、これを防ぐために正しい時間軸の映像信号に補正するのが時間軸補正装置(TBC=タイムベースコレクター)です。
※技術の進歩により各メーカーの仕様も変わっていくと思われます。

テレビ視聴や録画に便利な機能

以下のような「テレビ視聴や録画に便利な機能」があります。各メーカーの機能名は違いますが、ほぼ同じ機能をまとめて解説しています。

機能名 解  説
タイムシフト 選局中の番組を録画しながら再生、時間をずらして視聴できる機能。いい場面なんだけど、トイレに行きたいなどの場合、画面を一時停止して、後から見ることができる機能。
キーワード録画
おまかせ録画
おまかせ・まる録
登録したキーワードと電子番組表のデータを比較して、合致した番組を自動録画する機能。
野球延長 野球中継などの後番組を録画予約している場合、延長の可能性があると録画時間を自動延長をし、後の番組の尻切れを防ぐ機能。
ナイトモード
ナイト録画モード
おやすみディスプレイ
深夜などの時間に予約録画した場合、パソコンが起動しても画面表示や音声をオフにしたままで録画できる機能。
いいとこ観(み) 録画番組の映像や音声を分析し、ハイライトシーンだけを抽出して視聴できる機能。
さかのぼり録画
巻き戻し録画
プレイバック録画
視聴中の番組を保存したくなった時、さかのぼって録画する機能。但し、視聴開始以前の時間には戻れません。
ぴったり録画
ジャストダビング
ピッタリ保存
ぴったり1枚機能
DVDフィット機能
DVDピッタリ記録
ダビングしたい番組のデータがDVD1枚に収まらない時、録画レートを自動調整する機能。NECは録画時間も調整可能です。
※技術の進歩により各メーカーの仕様も変わっていくと思われます。

無線LAN

無線LAN通信にも新技術が搭載された通信機器が登場しています。無線ルーターなどがなければ利用できないため、必ず必要な機能ではありません。

【無線LANの通信規格】
通信規格 通信速度
(理論値)
解 説
IEEE802.11b 11Mbps 「11a」や「11g」ができる前から利用されており、速度は遅いものの最も普及しているタイプ。電子レンジの周波数帯域と干渉することもある。ADSL回線で速度があまりでていない環境なら「11b」規格でも十分。
IEEE802.11g 54Mbps 「11b」の上位互換で電波干渉を受けやすい。
IEEE802.11a 54Mbps 電波干渉には強いが壁などの透過性が低い。2005年秋冬モデルでは周波数帯が変更された「新11a」規格が搭載されている機種があります
IEEE802.11n 108Mbps 次世代の無線LAN規格の1つ。「MIMO」技術を統合し、100Mbps(理論値)を超える高速転送が可能。

【最低限知っておきたい無線LAN関連の用語】
用語 解 説
Wi-Fi 業界団体「WECAによる無線LANの互換性を保証するためのブランド名。互換性テストに合格した製品には「Wi-Fi」のロゴマークがつけられ、このロゴマークのある製品同士なら他メーカーの製品であっても接続が保証されています。
WEP/WPA データの暗号化方式。無線通信を傍受されてもデータを読み取れないようにする技術のことです。
SSID(ESSID) 無線LANの基本的なセキュリティ機能で、同じSSIDを設定したルーターと子機でなければ通信できないようにしている技術のことです。

【注目の新技術】
「MIMO」技術について
MIMOは「マイモ」と読み、「Multiple Input Multiple Output」の略称。複数のアンテナでデータの送信/受信を行う無線LAN技術。複数のアンテナで同時に通信しデータの合成と復号を行うことで、従来無線LANの2倍、108Mbps(理論値)という通信性能を確立しています。壁や天井などに反射した電波も受信するため、屋内などの障害物が多く存在する環境での通信状況を大幅に改善することができます。

「SuperAG」技術について
「データの圧縮」と「データ転送の効率化」をはかり無線LANの通信速度を向上させる技術のこと。

「フレームバースト」技術について
ルーターと無線子機間のデータのやりとりを効率化して無線LANの通信速度を向上させる技術のこと。

「ステルス」技術について
ルーターの存在を他者から隠す技術で、無関係なパソコンからルーターが呼びかけられても無視するセキュリティを考慮した機能です。
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