【解説】
Windows 7 は、法人用は2009年9月1日から、一般ユーザー向けは2009年10月22日に発売された、マイクロソフト社の新しいOS(オペレーションシステム)。Windows Vista 発売から3年弱でのリリースとなります。当初は2010年の発売を予定していたことから考えると大幅な前倒しになるため、大急ぎで開発したOSに感じられるが、実はそうではない。
というのも、Windows Vista 発売時には既に Windows Vienna (ビエナ) という名前で Windows 7 は開発されており、その存在は一般に知られていた。そのため、Windows Vista よりも Windows Vienna の発売を待ってからOSを乗り換えようという考えが広がり、Windows
Vista は買い控えられたと言われる背景もあり、Windows 7 の発売時期が早められたと思われます。
ところで、Windows には製品名とは別にバージョン名が存在します。Windows 2000 のバージョンは NT5.0、Windows XP
は NT5.1。どちらも NT5 系であるため、OSとしての機能差はほとんどないが、周知のように Windows XP は Windows 2000 を強化し完成度を増したような位置づけになっている。
実は、Windows Vista と Windows 7 の関係もこれと非常に似ている。というのも、これらのOSは両方とも NT6 系なのである。つまり、Windows 7 は Windows Vista で失敗した部分を高めたパワーアップ版となっている。それゆえ、Windows 7 は Windows XP と同じように長く指示されるOSとなる可能性を秘めているとも言われています。
具体的な特徴としては、Windows Vista で採用されたGUI (グラフィカル・ユーザー・インターフェース= Graphical User
Interface )、Windows Aero には大幅な改良が施されている。
ウィンドウのサイズを自動的に調整する「Aero Snap」や、ウィンドウまとめて最小化する「Aero Shake」、ウィンドウを透過してデスクトップのアイコンムやデスクトップガジェットを確認する「デスクトップレビュー」など、より直感的に操作できるようになっている。そのほか、サムネイル表示の強化や「クイック起動」の統合といったタスクバー周りの新機能や、履歴情報へのアクセスを容易にした「ジャンプリスト」、ネットワーク技術に疎いユーザーでもほかのパソコンの共有リソースを容易に参照できる「ホームグループ」、WindowsXPのエミュレーション環境「WindowsXPモード」など、多彩かつユーザーニーズに合致した新機能を備えている。また、各機能を見直すことで、全体的なパフォーマンスの向上も実現している。
Windows 7 への乗り換えるメリットは大きいのではないかと思います。
【コラム】Windows 7 は本当に7番目のOSなの?
ちまたでは、Windows 7 の「7」は「7がラッキーナンバーだから、それにあやかって命名したのでは」といった説まで飛び交っているが、真偽のほどはどうだろうか。
マイクロソフト社・広報部によると、「本当に7世代目のOSです」との回答です。
世 代 |
OS名 |
バージョン番号 |
第 1 世 代 |
■ Windows 1.0 |
Windows 1.x |
第 2 世 代 |
■ Windows 2.0 |
Windows 2.X |
第 3 世 代 |
■ Windows 3.1 |
Windows 3.x |
■ Windows NT3.1 |
Windows 3.x |
第 4 世 代 |
■ Windows 95 |
Windows 4.0 |
■ Windows 98 |
Windows 4.0.1998 |
■ Windows Me |
Windows 4.90.3000 |
第 5 世 代 |
■ Windows 2000 |
Windows 5.0 |
■ Windows XP |
Windows 5.1 |
第 6 世 代 |
■ Windows Vista |
Windows 6.0 |
第 7 世 代 |
■ Windows 7 |
Windows 6.1 |
マイクロソフト社内では、上図のように、OSの基本構造が大きく変わるタイミングに合わせて、世代が切り替え、各OSにバージョン番号をわりふっています。
例えば、Windows 95 / 98 (98SE) / Me は、それぞれ別製品として発売されましたが、OSの基本構造は同じ。どれもバージョン番号の先頭が「4」になっていることから、これら3つのOSは「第4世代」として1つにまとめられています。
このように、バージョン番号を見ると、何世代目のOSかわかるようになっているのです。
この要領で、初代の Windows 1.0 から数えて、ちょうど7世代目が Windows 7 になるという理屈になるわけであるが、1つ疑問が生じてしまう。
それは、Windows 7 は Windows Vista と同じバージョン「6.x」であるということ。つまり、2つのOSの基本カーネルは同じであり、上記の理屈で説明すると、Windows 7 は第6世代ということになります。
これに対しマイクロソフト社・広報部は、「確かに上記の理屈だと Windows 7 は第6世代になりますが、Windows 7 のパフォーマンスは大幅に向上し、インターフェイスも一部刷新するなど、Windows Vista から大きな変貌を遂げました。カーネルは同じでも、ユーザーの視点に立つとまったく新しいOSと考えたほうが自然です。バージョン番号で見ると、どちらも同じ第6世代ですが、これは、アプリケーションソフトの互換性に配慮したためです。なぜなら、OSのバージョンをチェックするアプリケーションソフトの多くは、バージョン番号が仮に「7.0」に変わると正しく動作しなくなる恐れがあるからです。そのためバージョン番号だけは、旧世代の名前をとどめているということです」との回答。
つまり、今回の Windows 7 は特例扱いとして Windows Vista から切り離し、新世代OSとして位置づけたようです。 |
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