コラム号外3−2 秋田・男鹿半島から青森市街地へ

 ――まだ陽は昇っていませんでした――いや、うっすらと明るかったか。午前5時……電波の届かないPHSでセットした目覚ましが鳴り響き、少々手間取りながらも音を止める。眠い目をこすり、気がつくと浴衣がはだけた状態……ぬぅ。浴衣は大好きなのだが、結局寝相が悪いので、はだけてしまうんだよなぁ。などと胸中で変な事を考えながら、起きたのでした。
 ま、そんなわけで。9時54分秋田駅発の「かもしか1号」に乗車するため、朝早く起きました。フロントには7時に出るので朝食はいらないと申し出て(朝食は7時半から)いたので、他に心配することは何もない……道を間違えて遅れることがなければ。とりあえず、朝っ風呂と言うことでお風呂場へ直行。朝早いので、誰もいないのかなぁ? などと思っていたら。意外にも2人ほど先客がいました。もしかしたら朝早く、釣りに行っていた人かな? 釣りに行っていたのなら、冷えた体を温めに来たのだと思うし。ま、私たちみたいな理由もありえるのですが、後者はまず考えられない(単なる予想)。ので、勝手に釣りに行っていたんだと解釈。
 ふと、湯船から外を見てみると。海に浮かんだ虹が見えるではありませんか。これはこの先の旅路を占う意味では、いいものなのかなぁ……とまた勝手に解釈。あ、虹の写真はお風呂場だった故に撮れなかったです。撮ってもよかったんですけどね☆(←そんなモラルに反した事はしません)
 お風呂から出ると、時刻は6時を回っていた。そろそろ仕度をしなければ。荷物の中身を覗いてみるが、そうそうぐしゃぐしゃにはなっていない。たった一泊、まだ一泊目……そう考えると、長い旅だなぁ。感傷に浸りたくなる。

 7時。大きな荷物を右肩に、左にはカメラバッグを掛け、借りた車の中に詰め込む。さて、秋田駅まで出発だ! 意気込んで運転席に入る。イグニッションを回し、エンジンに火を入れて私たちは「男鹿桜島荘」を後にした。天気は昨日より晴れ上がっていて、海も穏やかだった。
 が、しかし。運転していて気付いた。ここ、男鹿の道は海の上に道があるようなものだった。道の隣は崖――そして海……カーブを曲がるごとに高い位置から覗ける海。怖い……そうとしか言えなかった。幸いにも細い道なので、スピードを出さずにいたので、何とかなったんですけど、そういう道を通ったことがないので……はい、単なる臆病ですね(汗)
 男鹿半島を抜け、県道に入る。さて、秋田道のインターに向けて走るか。と思っていたけどここでアクシデント。毎度の事ながら、道を間違えた。まだ時間があったので、独断で下の道から秋田駅を目指すことになった――単なる面倒くさがり、という話もあるけど……
 ともあれ、無事に秋田駅には時間通りに「かもしか1号」出発時刻の40分前に到着。発車までの時間はフリーと言うことで、お土産あさり。私はここで、「秋田=米どころ=お酒☆」という、単純明解な方程式を導き出し、詰め合わせセットを購入、自宅に宅送。家に帰ってからのお楽しみと、今持っていても重くなるだけ、ということで……送料は半端じゃないんですけどね。
 ホームに降り、朝ごはんを抜いてきたので駅弁を買う。ついでにワンカップのお酒も♪ が、これが失敗だったと言うのは、列車に乗ってから気がついた。というのも、列車にはカップホルダーがないし、ワンカップのお酒というのは栓を開けると大きな口になってしまうわけで……ちょっとした振動だとこぼれてしまう恐れがあるんですよね〜。仕方なく封を切ったお酒は一気に飲み干す羽目となりました★ まぁ、美味しいからいいんですけどね……

 列車に揺られて2時間半くらい。青森駅に到着いたしました。ここでの宿泊施設は「青森厚生年金会館」。駅から少々離れているけど、一泊シングルで5000円というから、格安である。でも、まだチェックインの時間ではないので、ゆっくりとを望みながら昼食を済ませる。暇つぶしに写真も撮ってみる。いやぁ、単なるカモメですけどね。その後、近くの土産屋に入って、青森名物をあさってみる。リンゴ〜、お酒〜、津軽漬け〜……って、またマイナーメジャーな物を見て回る。目に付くのはホタテ……誰かに送ろうかな? と思ってしまったが、何とかそれを思い留める。しかし、ホタテがキ○スクでも売っているってどういうこと???
 時間が程よく潰れ、そろそろ宿舎に向かう。大きい荷物がなかったら、青森駅から徒歩で15分くらいだと思うけど、実際はその倍かかり、到着時にはヘトヘト気味……休憩してから外へと繰り出す――そう、居酒屋へ。
 まぁ、居酒屋は宿舎の目の前にあったところ。中はこじんまりとして、私好み☆ まずは駆けつけの生中を一杯あおる。お品書きに目を通し、何がいいかなぁ〜、と考えていると。
「今日は秋刀魚が美味しいよ〜」
 と、おばちゃんがお薦めを教えてくれた。教えてくれたんだから、頼まなくちゃ。ということで、秋刀魚の塩焼きにお刺身の盛り合わせなど、色々なものを頼んだ――大抵、こういう場だとほとんど私が注文する。なぜ? 答え、居酒屋の息子だからだそうです(涙)。
 お刺身や秋刀魚がテーブルに来ると、驚いた。タコのぶつ切りがあったんだけど、まだ動いてるんだもん。マグロの刺身も分厚いし、ボタン海老も甘いし。秋刀魚の塩焼きなんか、脂が口の中に広がって、東京では味わうことのないものでした。これで料金が東京の居酒屋と一緒なんだから、改めて味の違いを思い知る。日本酒も「田酒」というかなり美味しいのを呑んでホロ酔い☆

 明日は今日と違って慌てることがないので、ゆっくりと寝ていられるのです。ま、最低でも朝食の時間までには起きなくちゃね。

 このコラムは、まだ続きます。

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