「児童ポルノ法」その後・・・

Final Update 99/05/25
Written by T Unchiku




 先日の5/18、衆議院本会議において「児童売春・児童ポルノ禁止法案」
(以下「新法」と略す)が全会一致で可決・成立しました。

 今回成立した新法は昨年5月に当時の「自社さ」与党3党が提出した法案
(以下「旧案」と略す)と同一のものではなく、昨年末に結成された「児童買春等
問題勉強会」において民主党の修正案などをベースに加え、参議院法制局との協議
の上で検討し直されたものです。


・ 「絵」について

 本ページで一番問題にしていた「絵」の弾圧と、法の濫用についてですが
新法では以下のようになっています。

第二条 3 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、ビデオテープその他の物
     であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。

   一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の
     姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの。

   二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る
     児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識する
     ことができる方法により描写したもの。

   三 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は
     刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの。

 旧案では児童ポルノの定義に「絵」が含まれていましたが今回成立した新法では
その定義が外されています。(その他の定義については後述)
 更に旧案での「衣服の全部又は一部を脱いだ児童の姿態であって性的好奇心を
そそるものを視覚により認識することができる方法により描写したもの」という曖昧
な表現は厳密な表現となっています。

 更に新法の第三条では

第三条 この法律の適用に当たっては、国民の権利を不当に侵害しないように
    留意しなければならない

 というように法の濫用禁止規定も入っています。


・ 「所持」について

 新法からは単純所持禁止規定が外されています。



 さて、新法のポルノの定義「その他」ですが、5/11,14の衆議院
法務委員会での見解は以下の通りです。


・ 「実在の人物を描写した」絵やコミックはどうなる?

 「実在する人物ではあっても、実際に存在する姿態ではないので含まれない」
                     大森礼子・参議院議員(公明党)
 「そのように(つまり含まれないものとして)運用する」
                   法務省刑事局長、警察庁生活安全局長

 これにより実在のアイドルをモデルにしたポルノコミックも「児童ポルノ」と
ならない事が確定しました。
 また衆参両議院の法務委員会で新法があくまで「実在の児童の保護・救済が法案
の目的」であることが再三確認されているので「その他」に絵が含まれる事はまず
無いと思われます。


 この新法は「子ども達の人権を護る」という法律としてかなり評価すべき
ものになったと言えます。しかし問題が無いわけでは有りません

第六条 児童買春及び児童ポルノの規制その他の児童を性的搾取及び性的虐待から
    守るための制度については、この法律の施行後三年を目途として、この
    法律の施行状況、児童の権利の擁護に関する国際的動向等を勘案し、検討が
    加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとする。

 このように3年後に新法の見直しを行う事が明記されています。更に今回の新法
で旧案から削除された条項を加えたいとしている一部の議員もいる事ですし油断は
できません。

 この法律があくまで「子ども達の人権を護る」法として運用され、思想弾圧の
法律とならないよう注目していく必要があります。



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