波並-九十九湾往復ツーリング

 本日は穴水町の北に位置する能都町の波並から九十九湾の往復ツーリングである。距離は往復で26kmくらいある。なんで、いきなりこんな距離のツーリングかと言うと、3月に注文してあった新艇、Water Field KayaksのExpedition HAYATEの納艇の日だからなのである。納艇の日だからって、そんなに漕がなくたっていいじゃんというところなのであるが、このフネは細くて長くて軽くてきっと速いから、ちょっと長距離を漕いでみたくなったというわけである。
 カーボンファイバーでできているので、ハルの色は黒とした。デッキはオレンジ。う〜ん、カッコヨイ。(注:手前のフネである。)

 カヌーあいらんどの店長の渡邊さんが用意してくれたシャンペン(か? 本当に?)をかけて進水式。でも、船にかけた分よりも自分が飲んだ分の方が多分多いな。
 それにしてもどうだ、この細いバウは。
 SASUKEに比べると、半分くらいの薄さではないだろうか。まぁ、そうは言ってもSASUKEも手放すわけではない。あちらはあちらで三分割という特徴を持っているので、いつでも手元に置いておくことができる。
 こいつは長いうえに分割艇ではないので、保管に困ってしまうのである。

 フネにシャンペンをかけながらにやけるわたくし。
 そりゃあ、やっぱ新艇の進水式ともなればうれしいもんです。心底、心酔しましたわ。これが浸水とか親水とかにならなければよいのだけれど。

 で、本日のメンバーは店長の渡邊さん、魚組のタチウオさん、今年は海で漕ぐのは初めてというYさん。
 海は至って静かである。空は曇り空だけれど、日が照って風が強くなるよりも良いだろう。
 なんたって新艇で、それも幅が細くなったもんで、不安定だったらどうしようという心配が心の隅にあったのである。
 漕ぎ出すと、なんだか知らんがフネが右に曲っていく。何でじゃあ! ほっとくと大きな円を描いて一周してしまう。どうも風上に向かっているというわけでもないらしい。

 なんだかんだ言っているうちに、宇出津港のすぐ先の離島と言うところにつく。ぱっと見は岩でできた岬だが、島なので岬の先端との間に細い水路がある。幅は2mくらいで水深は50cmくらい。カヤックだったら楽勝で通り抜けることができる。
 穴水町からそんなに離れているわけでもないのに、この辺の様子は穴水町とはまた違う趣きがある。
 そういうところが海を漕ぐ楽しみの一つであるな。

 で、その水路を抜けると、そこには静かな入り江が広がっているのであった。ここは、能登には何ヶ所か存在しているが、弁慶の舟隠し伝説の伝わっているところであるそうだ。確かに宇出津側から来るとそこにこの様な入り江があるとはわからない。まぁ、反対側から来るとまる見えなのであるが。
 そんでもって、ここが石川県における拉致事件のあった入り江なのであった。そう言えば数年前のふるさと能都ツーリングトライアルの宿屋が、この入り江の奥にあったぞ。