2005年8月25日、この日は記念すべき初めての北海道ツーリングへの出発日である。会社から帰って前日までにまとめてあった荷物を総て持ってバイクへと運ぶ。バイクのカバーを取っ払い荷物を装着してから、バイクを道路へと引っ張り出す。折しも台風11号の接近で風が強い。雨が降らなければ良いのだけれど。幸い気温はそれほど高くないので、装備を身につけてバイクを押したり引っ張ったりしてもそれほど暑くはない。
金沢市内の渋滞もさほど無く、順調に北陸自動車道に上がる。これから直江津まで約2時間半。フェリーの集合時間は午後10時半だから、何事もなく行けば充分間に合う時間である。
横風がなかなか強い。ぶっ飛ばしていきたいところだが、荷物はたくさん積んでいるし、第一今日はタンデムである。それにしても高速道路で二輪車のタンデムが解禁されたのは今年になってからであるが、それまでいったい何の問題があったというのだろうか? 一人で走るのと何ら違いが感じられない、と言うわけではないが、特に問題になる点も感じられない。
ただ、自分はアフリカツインのカウルに助けられ、風もそれほど当たらないのであるが、ピリオンシートのパートナーには結構な風が吹き付けている様である。ちょうどカウルを抜けてきた風が、パートナーの頭のあたりで渦巻いている様で、頭がぐらぐら揺れるという事である。トンネルの中は基本的に追い風が吹いているので、楽だとの事だ。そう言えばトンネルの中に入ると急に風切り音が少なくなるよなあ、とは前から思っていたが、そうか、そう言う事だったのか。
途中、越中境のPAで小休止して、再び直江津を目指す。トンネルとトンネルの間の風に加えて、所々で雨が降ってくる。降ったり止んだりだし、それほど強い雨というわけではないので、カッパも着ずにそのままいく。しかし、台風が日本列島に接近しているのは間違いない事だ。ちょうど我々が北陸道を直江津目指して走っている時に、台風は関東のあたりに上陸していた様だ。高速道路上での天候もさることながら、フェリーが運行するかどうかが心配である。
無事に上越インターで高速道路を降りると、直江津港のフェリーターミナルを目指す。途中、コンビニエンスストアに寄って、フェリーの中でのビールやら食料やらを買い込む。なんか、フェリーの集合時間は過ぎてしまいそうである。だんだん焦ってくる。集合時間を過ぎているせいか、直江津港を目指している車は極端に少ない。
フェリーターミナル周辺にはそれなりに人がいたが、切符売り場の中は閑散としていた。早速クーポン券をチケットに変えて乗船手続きを行った。
ミラーに「室蘭行き」という札を巻き付け、指示された場所に行くと十数台のバイクが乗船待ちをしていた。自分の前の人は、なぜか荷物をバイクから全部おろしている。何しているのかなあ、と思ったらセルを回してエンジンをかけようとしているのであったが、これが全然バッテリーが弱ってしまっている様な感じでエンジンがかからない。そうこうするうちにバイクの乗船が始まった。船にはいるのは上り坂だから、その人に向かって「押し掛けでエンジンかけるんなら手伝いますよ。」と言ったのだが、その人は「いいです、いいです。」とかたくなに拒むので、まぁそれならいいかと思いフェリーへと入っていったのであった。
フェリーの中にはいると、一番下の第一甲板へと案内された。そこに私のアフリカツインはポツリと置かれる事となった。荷物を持ち、階段を客室のある第四甲板目指して上る。これが非常に辛かった。後で見たらエレベーターもあったのだが、第一甲板にはエレベーター乗り場が無く、第二甲板からの出発になっていたのでわからなかったのだ。汗をかきかき大荷物を抱えて客室に入ると、そこは四人一部屋の寝台であった。なかなか快適そうな雰囲気である。
荷物を置いて着替えを済ましたら、早速腹ごしらえをすべく食料を持って食堂へと向かう。食堂はワンフロア上の第五甲板にあり、お風呂なんかもこの甲板にある。食堂には自動販売機も並んでいるのだが、そこに売っているビールの値段を見てびっくり。コンビニエンスストアなんぞよりは安い値段設定になっている。しまった、船の中で買うんだった。
腹ごしらえをしていると、まもなく出航。外の甲板に出航風景を眺めに行く。風は強めだけれど、雨は降っていない様だ。
その後は部屋に戻り、明日に備えて爆睡するのであった。
【走行距離 198.4km】
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直江津港までの走行距離、198.4km。
フェリー乗船待ちのバイクの数はさほどでもない。

東日本海フェリーの「れいんぼう べる」

アフリカツインにとっては初めての船旅。

ぽつんと置かれたアフリカツイン。反対側にはもうちょっとバイクがいる。 |