2005年8月31日 小樽 → 余市 → 岩内 → 室蘭

 今日は北海道滞在最終日である。
 ホテルを出て、昨晩見つけておいたパン屋で朝食用のパンを買う。結構街中なので、そのままそこで朝食を摂るのもはばかられたので、どこか適当な場所を探すことにする。国道5号線を東へ余市方面へ進む。途中、塩谷海水浴場というような看板があったので、そちらの方へ行く。
 海っぱたで朝食を摂ろうという算段であるが、なんかこの辺海岸に行きにくい。海岸と道路の間には家が建ち並んでいて、海岸の防波堤の所に行くにはそれらの家の敷地を通らないといけないようになっている。外の道は工事現場へ向かうダンプが頻繁に通っているので、バイクをそちらにおいていくのも憚られる。しばし悩んだ末に、比較的通りやすいような駐車場をちょいと失敬して通らせていただいて、無事に防波堤の所に行き着いた。防波堤の向こうには砂浜が広がっていて、近所のシーカヤックガイドの店の物か、シーカヤックがたくさんおいてあった。
 東の方を見るとなかなか景観が良さそうな海岸が続いているが、どうもこの辺でシーカヤックをやっていたらどんなものなのかと思ってしまう。ひとたび海が荒れ出したらエスケープがしにくそう。景観の良さそうな海岸は断崖絶壁が続いているから、途中で止めるわけにもいかないだろうし。
 朝食を終え余市へ向かう。余市ではニッカウィスキーの工場見学に行くことにしていた。古めかしい工場の裏手の駐車場にアフリカツインを駐めて、工場敷地を横切って正門近くの見学受付まで歩く。工場の中は静かで、これが工場?という感じである。なんか時間がゆっくり動いている感じ。
 ガイドのおねえさまに案内されて工場見学を楽しんだ後、余市工場限定販売品の売店へ。なにしろバイクで来ているので試飲ができないのが辛いところである。ということで、香りだけ嗅いでどのウィスキーを買うかを決める。
 余市の工場見学が済んだら、今度はウニ丼である。積丹岬の方にウニ丼屋が並んでいるとガイドブックに書かれていたのでそちらを目指す。積丹岬の駐車場までは行ったが、お腹が空いていたので岬の見学はパス。
 積丹岬近くのウニ丼屋に適当にはいる。ウニ漁は本日をもって禁漁になるそうだから、取れたてウニを食べられる最後のチャンスなのかもしれないけれど、実はもっとうまい時期はもっと前なのでは無かろうかという疑問が残っているので、これはそのうち確かめに行かなければならない。
 ウニを堪能して再び走り出す。この辺、海辺まで断崖絶壁が続いていてすごい景色である。何年か前のトンネル崩落事故も積丹半島ではあるけれど、もっと余市の近くの方である。でも、この辺だって同じ様な事故が起きたってちっともおかしくないような地形である。その分景色はよい。こんな所まで無理矢理道を作らなくたって良いのにと思わなくもないが、そのおかげでこうして手軽にすごい景色を見ることができる。難しいところである。
 まもなく神威岬への入り口になるが、神威岬へは遊歩道を2kmほど歩かなくてはならない。本日は夜までにフェリー乗り場に到達しなければならないし、昼食をたんまり食べたら眠くて仕方がないのでパスすることにして、駐車場の脇の堤防の上で昼寝をすることにする。明るい日差しの中小一時間の昼寝を楽しむ。
 再び岩内方面に向けて走り出す。段々と町に近づいてくる感じがして寂しい。途中、泊原発の前を通る。その立地ぶりを見て、なんか何かなあと思ってしまう。
 岩内に到着。フェリーが岩内に到着していた事もあるくらいで、それなりに町は大きいが、なんとなくメリハリが無くてわかりづらい。ここからはニセコに向かおうと思っているのだが、その道がイマイチわからない。ちょっとウロウロしてしまってからようやくニセコへ向かう道道に入ったが、なんかさっき迷ってウロウロしていたところを再び通っているような錯覚に襲われる。
 ニセコへの道道は、ほとんど車通りもなくRの大きなカーブの続く快適な道であった。既に夕方近い時刻なので通る車もほとんど無く、快適に飛ばす。標高が高くなってくるとなかなか涼しい。チセヌプリの横を超えてニセコ湯本温泉のホテル雪秩父というところへ行く。今回のツーリングではあんまり温泉巡りとかは出来なかったので、最終日だし温泉でも入っていくかというところである。
 なんか、結構暗いなあと思っていたのだが、それはサングラスをしていたからであって、サングラスを取ったらまだ明るかった。
 ホテル雪秩父の風呂は、内湯と露天風呂で、露天風呂は何種類もあっておもしろい。泉質は硫黄泉と鉄鉱泉だそうで、確かに硫黄っぽい風呂とそうでない風呂とがあった。温度も露天風呂は比較的ぬるめでゆっくりと楽しむことが出来た。そういえば今回のツーリングでゆっくり温泉に入ったのは、これが静内温泉に続いて二回目であった。北海道には温泉もいっぱいあるというのに、二回しか入らなかったというのももったいないというかなんと言うか。
 風呂から上がると大分夕闇が濃くなっていた。明日からは9月だし、北の大地は暗くなってくるのも幾分早いような気がする。暗くなってくるのもそうであるが、標高もあるので気温が結構下がっているように思える。温泉に入った後で再びヘルメットをかぶらなければならないというのも何だが、しょうがないので室蘭目指して走り出す。
 ニセコ昆布温泉などの脇を通り抜け走る。なんかこっちの休みがもう終わりだからか、それとも8月がもう終わりだからか、温泉街の風景ももの悲しい。客がいないわけではないようであるが。ニセコの駅の近くを走り、細川たかしの銅像とやらを探してみるが発見できなかった。
 真狩方面へ向けて道道66号線を走る。夕闇の中に羊蹄山が浮かんでいたので写真を撮る。ものすごいスローシャッター。ぶれないようにカメラを支えるのが大変。
 やがて国道230号線に出るので、これを洞爺湖方面に南下する。国道230号線はこのツーリングの最初の方でレイクヒルファームまで走ったので、それではということで道道132号線に入り洞爺湖の東側を回ることにする。と、これが大変。真っ暗だし、道が結構細かいRで曲がりくねっている。地図上では洞爺湖の東を回っても西を回っても距離は大差ないというか、西回りよりも近いはずなのに走れど走れど壮瞥に着かない。間違えるはずもない一本道なのだけれど、途中で道を間違えてしまったのかと思ったくらいである。壮瞥から国道453号線で海の方まで出て、伊達から国道37号線で室蘭へ向かう。この辺まで来るとようやく着いたという感じである。
 夕食をどこかで摂りたかったので、白鳥大橋は渡らずに東室蘭の市街を通っていくが、この辺だったら色々食事が出来るところがあるなあ、と思いつつ走っていたらあっという間に何もなくなってしまった。間もなく室蘭の駅周辺に着くが飲み屋街はあっても食べ物屋がない。さんざん探し回って、飲み屋街の中のラーメン屋を見つけて入る。向かいにもラーメン屋があったがそっちには客がほとんど入っていない。こっちを選んで正解。
 コンビニでつまみやビールなどを買ってフェリー埠頭に向かう。行きのフェリーよりもバイクやら何やらで混雑している。ああ、これで北海道を離れてしまうんだなあ、とちょっと寂しい気持ちになってしまった。

【走行距離 280.3km】


ニッカウィスキー余市工場のポットスチル。注連縄付き。


ニッカウィスキー余市工場の庭の池にいた白鳥。太りすぎ?


積丹岬近くで食べたウニ丼。バフンウニ、ムラサキウニ混合。


遙かに眺める神威岬。今回はその先端へは行けなかった。


ニセコから眺めた羊蹄山暮色。


夜の室蘭で入ったラーメン屋。おいしかった。


帰りのフェリーで。

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